プライベート感と落ち着きのある「オープンエア」な住まい
この住宅設計に際し、ガーデンライフを思いきり楽しめる家でありながらも、街路からのプライバシー確保を両立してほしいという、相反する要望が持ちかけられた。
道路側の外観写真のように、道行く人の視線からしっかりガードする工夫を施している。また、宅地割境界線に対し思いきって建物を45度振ることで、家族空間を真南に開き、周囲の建物の隙間から遠くまで視線が伸びていくようにしている。
厳しい法律の限られた建築面積という制限のなかで、英会話スクールや音楽を楽しめる専用室を確保しつつ、残りの面積を最大限に家族空間として楽しめるよう、全開放の引戸でプライベートガーデンと結んだ「オープンエア」な住まいが完成した。
一方、広がりに富んだ空間に落着きを共存させていることもこの住まいのポイント。ソファスペースは移動動線から外し、アルコーブ状にコーナー化。薪ストーブでコージーな雰囲気を持たせ、上部の吹抜からは、時間と共に光が移ろう。「おもちゃの間」と名付けたライムストーンの広間、開放感のある階段などのしつらえが、25帖程度の広がりのなかで、それぞれの落着きを醸している。室内は、施主のイメージであった「白」に答えるべく、貝殻から作った自然素材の左官シロ壁で仕上げ、ニュアンスに富んだ「ホワイトモダン」を演出している。
この平面的、立体的広がりを熱環境的に支えているのが「どまだんシステム」。見た目の広がりをつくることは容易であるが、どのような季節でも涼しく、あるいは温かな環境があって、住宅の基本性能が満たされたといえよう。
玄関から「おもちゃの間」を望む。
ライムストーンの壁がゆるやかに空間を区切り素敵なインテリアを設える拠り所となる。
「おもちゃの間」からソファスペースを望む。
広がりと落ちつきの共存が見てとれる。
バスコート。
おふろ、夫婦の寝間、プライベートテラスへと3方向からアクセス可能。外に対しては格子を用い視線を遮る。
プライベートテラスからバスコートを望む。
奥の格子が一部開閉可能となりアクセス可能。
プライベートテラスから「たたみの間」方向を望む。
建物を取り囲む庇を兼ねた楽しいバルコニー。
おふろから洗面脱衣を望む。
洗面脱衣の扉が、シャワーブース扉を兼ねるというアイデア。
シャワーブースを望む。
ホテル風の素敵な洗面所を目指した。
パントリーよりキッチン背面収納を望む。
キッチンからプライベートガーデンへのアクセス可能。
設計事務所
長谷川順持建築デザインオフィス株式会社
- 住所
- 〒104-0033 東京都中央区新川2-19-8
第2杉田ビル7F-A - TEL
- 03-3523-6063
- FAX
- 03-3523-6066
- URL
- http://www.interactive-concept.co.jp/
- 代表者
- 長谷川 順持
- 担当者
- 吉澤 輝
建物概要
- 名称
- オープンエアハウス
- 所在地
- 神奈川県川崎市
- 施主(事業主体)
- 個人
- 設計(監理)
- 長谷川順持建築デザインオフィス株式会社
- 施工
- 株式会社 創建舎
- 工事期間
- 2006年1月〜2006年7月
- 建築用途
- 戸建住宅