2023年3月に開催された展示会ISHブログ、第三回目は水栓の傾向についてご紹介したいと思います。
まずはアナログ感ある操作性が新鮮なドイツHansgrohe社AXORブランドの新商品、AXOR ShowerCompositionシリーズより、シャワー商品のご紹介です。
すっきりとした薄いスタイリングが特徴の新シリーズです。
フィリップ・スタルクによるデザインですが、注目したいのは操作方法!
手前に出たレバーを上下することにより、ハンドシャワーとオーバーヘッドシャワーのオン・オフを操作し、流量と温度はダイアルを左右に回して調整します。
なんだか昔のオーディオを思い出すアナログな操作感です。全体は一見モダンなイメージを想起させますが、スタルクの遊び心なのでしょうか、一部このようにレトロなデザイン要素が取り入れられています。
角度が調整できるボディシャワーもあり、上質なバスタイムを演出する機能も兼ね備えたハイエンド商品です。
フラット、バーティカルなデザインが印象的なAXOR ShowerComposition。
次に洗面水栓のご紹介です。
傾向として、スタンダードなシリンダー形状のデザインでありながら、
従来の製品よりもボディが一回りスリムで、ハンドルも薄く細い、繊細で華奢な印象を受けるミニマルなデザインがトレンドとなっています。
hansgrohe社(ドイツ) / Tecturis Sシリーズ
hansgrohe社(ドイツ) / AXOR ONEシリーズ
KLUDI社(ドイツ) / NOVA FONTE Puraシリーズ
CRISTINA社(イタリア) / Piegaシリーズ
イタリアFima社がISHにて新たに発表したSNAPシリーズもまた、トレンドに倣ったスリムなスタイルとなっており、シンプルながらも洗練された美しいデザインです。
一方で個性が演出されているデザイン水栓は、スタンダードな製品とは対照的に、丸みのあるオーガニックな形状が多く見受けられました。
やさしくソフトな印象で、どこか親しみが感じられるような表情が感じられます。
Villeroy & Boch社(ドイツ) / ANTAOシリーズ。河原沿いにありそうなコロンとした丸い石の形を連想させる。左右非対称な形状からも自然の生み出すナチュラルなイメージが演出されている。
Fima社(イタリア) / FLOシリーズ。上にゆるく傾斜したハンドルが滑らかでフェミニンな印象。
また幅広なエアレーターの普及に伴ってか、滝状泡沫吐水の水栓が非常に多くみられました。
流量を抑えつつ、手を覆う量感が感じられるため、エコでありながら、肌あたりや洗い心地が良いという特長があります。
Villeroy&Boch社(ドイツ) / Dawnシリーズ
Vitra社(トルコ) / OriginClassicシリーズ
THG社(フランス) / ICON-Xシリーズ
以上、展示会で印象的だった水栓のご紹介でした。
3回に分けて、ISHのご報告をいたしました。
コンパクトな都市型のバスルーム、サステナブルな目線を持ったメーカーの取り組み、
心身ともに健康で幸せな気持ちになれるウェルビーイングなバスルームの提案などに触れ、面白みや新鮮に感じた商品を中心にピックアップさせていただきました!
クールで都会的なハイテク製品や、高級感を感じられるラグジュアリーな提案よりも、厚みや丸みを感じるエモーショナルなアプローチが、今のモードのように感じられました。
ISHで見たインテリアライクな水まわり空間が日本でも普及することを願いつつ、セラトレーディングでは、その実現のお手伝いをさせていただきたいと思います!