3回にわたり、ご報告いたしましたISH 2019の最終回となります。
第1回目
陶器編はこちら
第2回目
水栓編はこちら
今回は、洗面まわりの洗面ファニチャーに加えて、スタイリングをお伝えします。
近年のヨーロッパの洗面ファニチャーは、デザイン、サイズ、カラーバリエーションとも豊富なラインアップで、多様化するお客様のニーズに応えるべく新作が多数発表されていました。
近年注目を集めるブラックを基調とした男性らしい空間づくりとなっていたのは、デュラビット社(ドイツ)の「HAPPY D2 PLUS」です。
締まった黒の色使いでありながら、洗面ファニチャーの扉面、カウンター、洗面ボウルの角のRが美しく揃っていることで、空間にソフトな印象をつくり出しています。
また従来と比べて進化していたポイントとして感じられたのが、誰にこの商品を使ってもらいたいかというメーカーの意思。
私の印象としては、男性が憧れる「カッコイイ洗面空間」を訴求することで、男性主導の商品選定を意識しているのではないか?と感じました。
商品、空間を黒で統一した中で、適度に小物を配し、生活の中で使用するシーンもイメージできます。
黒い空間構成を暗い印象にさせ過ぎないように、グリーンの小物をほど良くアクセントとして配し、黒の空間をより一層印象深く感じることができます。
同じくデュラビット社となりますが、先ほどの黒い空間とは対照的に、女性を意識した空間づくりも。
実際にメーカー担当者に伺ったところ、この展示については、単身の女性を意識した展示とのこと。
アクセントとしての色使いも昨年のミラノで話題になったスモーキーなサーモンピンクを配し、ほど良く優しさを表現していたように感じられます。
スモーキーなサーモンピンクの洗面ボウルとファニチャーを組み合わせたロカ社(スペイン)の一例です。
洗面隣りのトイレの壁には、ライトグリーンのガラスモザイクタイルがアクセントウォールとなっていますが、引き出しの中もライトグリーンのカラーボックスでアクセントを効かせていました。
洗面ファニチャーに加え、水まわりのスタイリングについても触れましたが、お客様の趣味趣向に響く提案について、メーカーとして伝えるための要素として、スタイリングも大切な位置づけに変化してきたと感じられました。
パウダールームを考えた際、従来の壁、床、天井、カウンター、扉の面材で豊富に組み合わせを検討し、近年の洗面ボウル、混合栓のカラーの組み合わせ・・・。
頭の中が混乱してしまいそうなくらい、組み合わせパターンが発生してきます。
そんな中、一部のメーカーでは、カラー水栓、洗面ボウルを異素材で組み合わせたスタイリングパターンの提案が始まり、商品に留まらず、空間づくりに意識が進んでいると感じられました。
加えて、水まわりのカラーアクセントとして、どのようなアイテムがあるのか、興味深い展示も行われていたのでご紹介します。
12のカラーバリエーションで、アクセントとなるアイテムを展示していました。実使用においては、パッケージのカラーのみを選択肢として使用することはないと思いますが、展示のアクセントとしては十分活用できるのではないでしょうか。
その他9つのカラーバリエーションについて気になった方はご連絡ください。
全3回にわたって最新水まわりの展示会情報をお伝えしました。夏以降にはトレンドセミナーとしての開催も企画しています。
セラトレーディングのある東京・大阪以外の会場でも開催予定ですので、是非ご来場ください。