前回の「2018・ミラノ・サローネ ―水まわり編―」に引き続き、
第二回は会場内のインテリアとキッチンメーカーの展示をご紹介します。
それではインテリアからご紹介します。
まず始めに『ザノッタ』。
ブースは、様々なプリントが施されたパーテーションと、
テーマカラー毎の展示となっていました。
今回よく目に留まったのは、ピンクベースのカラー。
ニュアンスを変えたカラーを上手く組み合わせています。
ダンディな男性二人がくつろいでいるソファーは、パロンバの新作Kimシリーズ。
マーブル柄のテーブルも今回よく目にするパターンのひとつです。
次は『カルテル』のご紹介。
テーマは”smart design for smart people”という事で、現代のスマートに暮らす人々を意識し、
これからのライフスタイルに向けたカルテルの技術革新を、
8つのブースでアピールしていました。
その中で、特に気になったのが”wood”です。
こちらを手掛けたのは、フィリップ・スタルク氏。
従来プラスチック素材をメインで扱っていたカルテル社が
「木」を使用した家具を発表していたのは衝撃でした。
聞くところによると現在、独自の加工技術を用いて木質素材の新たな研究を行っており、
常に新しさを求めている姿勢は素晴らしいと感じます。
他には色鮮やかなプリントの家具や、可愛らしいクマの照明も。
こういった遊び心も魅力のひとつですね!!
キッチンと、バスルームなど水まわりの見本市「ユーロクッチーナ」。
過去最高の来場者数を記録しただけあって入場待ちの列が出来ているブースも多々・・・。
家具メーカーの中にはキッチンも手掛ける会社がいくつもあります。
代表的な『ポリフォルム』もそのひとつ。
インテリア・キッチンそれぞれ別会場でブースを出していました。
こちらはインテリアブース。
全体的にグレーが基調ですが、
差し色として朱色のようなレッドカラーが度々登場します。
気になるキッチンブースはこちら。
ダイナミックなテーブルと大理石の天板がゴージャスです。
テーブルの中心部分とカウンタートップのパターンを合わせているのもこだわりを感じます。
以前から発表されていたキッチンですが、
シンクからまな板など作業場が可動式となっています。
また五徳も天板に直接設置され、スッキリとした印象に。
普段のお料理がスマートに楽しめそうなキッチンです。
そして今回のサローネで注目は『ボッフィ』です。
約20年振りに会場へ出展!と、サローネ開催前より話題となっていました。
インテリアの『デパドヴァ』を一緒に出展しており、ブースはかなりの賑わいでした。
こちらはピエロ・リッソーニデザインのCOMBINEシリーズ。
その名の通り、写真のトレイなどのアクセサリーに限らず、
キッチンそのものも様々な形に組み合わせ可能なプロダクトです。
他には、このように大理石をくり抜いたような大胆なバスタブまで!
加えて洗面部分もマーブル調となっていました。
インテリア同様、水まわりにも同じ傾向がみられるようです。
次にご紹介するのは忘れてはいけません!!『ディーゼル・リビング』です。
ご存知の通り、元々ファッションブランドからきているディーゼル。
ジーンズを好む若者の趣味嗜好に合わせたカジュアルなイメージですが、
家具を含め、水まわりも細部までこだわりぬいたモノばかりです。
キッチンは『スカヴォリーニ』社とのコラボによるもので、
落ち着いたカラーながらも細部は無骨で男性らしい印象です。
また今回のインテリアやキッチンメーカーでは、
前板にガラス素材を用いた「見せる収納」としてのキャビネット展示が見受けられましたが、
ディーゼルではただの透明ガラスではなく、
少し変化を加えてモールガラスのようなデザインに。
食器や小物類もディーゼルで揃え、置いておくだけでも様になります。
こちらは洗面ブース。
キャビネット部分はマットグリーンで、どこかミリタリー調な印象です。
洗面の向かいには、スタンディングのシャワー水栓が。
つや消しのステンレスがより一層スタイリッシュな空間にマッチしています。
最後にキッチンブース全体で気になった点ですが、
今回、周辺機器のバリエーションが一段と多様化しているように感じます。
五徳部分のカラーバリエーションや、ハンドル形状までこだわりが。
レンジフードなどもカラーだけでなく、素材や質感が様々でした。
照明兼用の天井吊り下げタイプは新鮮です。
中にはクッキングヒーター自体にファンが組み込まれているスマートな商品も。
このようにキッチンも様々なアイディアで多様化されており、
今後はインテリアにも上手く取り入れる事が出来るのではないでしょうか。
まだまだご紹介したい内容がありますが、
以上、インテリアとキッチンメーカーの展示紹介です。
次回はミラノ市内で開催される「フォーリサローネ」をご紹介いたします。
お楽しみに!!