建築・デザインの専門ギャラリーTOTOギャラリー・間では、
フィールドオフィス・アーキテクツ展 / Living in Placeが
7月10日(金)より開催されています。
フィールドオフィス・アーキテクツは、建築家・黃氏聲遠氏を中心に、
黃氏の建築思想に共鳴し、同じ理想を抱いて台湾各地から集まってきた若者たちで構成される
建築家の集団です。
会場では、フィールドオフィス・アーキテクツが20年にわたって手がけてきた
宜蘭の町づくりから得た4つの「気づき」をテーマに、彼らの活動を模型や写真、
映像やインスタレーションを通して紹介します。
今回のテーマであるフィールドオフィス・アーキテクツによる4つの「気づき」
・気づき1「時間と仲良く」
新たな可能性を求めてアメリカに渡ったものの、結局挫折して台湾へ戻り、
宜蘭に住み着いた。やがて宜蘭固有の気候や神話、歴史、反骨精神に接するうちに、
私はこの土地の民主的な国民性が失われていないことに徐々に気づいていった。
若い世代も専門性という縛りにとらわれなければ、
チャンスはそこらじゅうに転がっている。依頼主がいなければ自分で探せばいい。
そうした発見の蓄積と、公共空間のプロジェクトが帯状に広がっていくうちに、
私たちの存在は人々の記憶に刻まれていった。
・気づき2「山、水、土、海と暮らす」
風、水、生態系は、都市を抜け、その先へ流れていく。
その流れの中では、自分さえよければいいという発想では、都市はいずれ廃れる。
都市と田園は互いに助け合いつつ、双方からヒントを得ることで、
より建設的に全体を運営できる。
こうした問題に対して私たちが途中で匙を投げたりしないと理解されてからは、
各方面の専門家たちが知恵を貸してくれるようになり、
どうにか実務をこなせるようになった。
・気づき3「基準線としてのキャノピー(天蓋)」
キャノピーの実質的な機能は、意識的につくられた「空白」であり、
民主的で階級のない社会を暗示している。
ほどよい高さに基準となる線が引かれることで、見慣れた風景もまた美しく見えるだろう。
こうした大小のキャノピーを通じて、建築は、文化の違いや政治の変動を超えて、
時の経過に耐えられるのだと確信するに至った。
・気づき4「ただ自分の身体に意識を向け、いつしか時を忘れる」
本展のクライマックスは「宜蘭県立櫻花陵園」のプロジェクトである。
ここでは環境に配慮した土木工学的技術に加え、
晴れた空と雨と霧とこだまが交互に登場する映像によって現地の空気を再現する。
その映像から、3本の川が三角州で合流し、幾重にも連なる砂丘の層が太平洋に向けて
一面に広がる宜蘭の光景を思い浮かべていただきたい。
乃木坂方面へお越しの際は、ぜひセラトレーディング 東京ショールーム、
「TOTOギャラリー・間」にお立ち寄りください。
◆フィールドオフィス・アーキテクツ展 / Living in Place
会 期:7月10日(金)-9月12日(土)
開催時間:11:00-18:00
休 館 日:月曜日・祝日・夏期休暇8月8日(土)~17日(月)
※2015年度より日曜日も開館いたします。
入 場 料:無料