フランス

ラディソン・ブル・ホテル・ナント 1

ホテル情報

Radisson Blu Hotel Nantes

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6 place Aristide Briand 44000 Nantes France
TEL
+33(0)2 72 00 10 00
FAX
+33(0)2 70 00 10 01
E-Mail
info.nantes@radissonblu.com
URL
http://www.radissonblu.com/hotel-nantes
威厳ある19世紀のネオクラシカルな裁判所建築がホテルに。アリスティード・ブリアン広場に面する。

ナントにはジュール・ヴェルヌの時代から創造精神を育む伝統があるのか、造船業の衰退後もクリエイティブな発想で都市再開発を推進し、21世紀の豊かな文化生活都市へと変貌することに成功している。また、ホスピタリティー事業でもドイツの市議会では、絶対に決案無理なアイデアが現実化された。

旧パレ・ド・ジャスティスという裁判所の歴史的建築が2年越しで修改築され、昨年11月に「ラディソン・ブル・ナント」が華々しくオープンした。裁判所がラグジュアリーな4ツ星デザインホテルになったのは、ヨーロッパでも初めてのことで、ラディソン・ブルのブランドにとっては、フランス国内最新のフラッグシップのプロジェクトでもある。パレ・ド・ジャスティスは日本だと具体的になんという法務機関になるのか私にはよくわからないが(ドイツだと裁判所だけでなく州法務省が入っている場合もある)、裁判所でも高等裁判所の類だろうか。1852年の建設(建築:Saint-Félix Seheult, Joseph-Fleury Chenantais)で、2000年にナント島にジャン・ヌーヴェルの設計でパレ・ド・ジャスティスが新築されるまで実際に裁判所として機能していた。

ホテルはナント中心街のアリスティード・ブリアン広場に面する。この広場はナント出身の著名な政治家でフランス首相も歴任し、ノーベル平和賞も受賞したアリスティード・ブリアンに捧げている。広場からホテルと対面すると、新古典主義のファサードは今でも“正義の殿堂”という風格と威厳を漂わせる。“正義が無罪を擁護する”ことをメタファーにした彫刻(Étienne-Édouard Suc)やエントランス両サイドの正義の女神と獅子像が“法と力”を象徴する彫刻(Amédée-Aimé Ménard)も印象的だ。ホテルへのリノベーションはパリのDTACC建築事務所のジャック・ショレ(Jacques Cholet)が指揮し、インテリアはパリのジャン=フィリップ・ヌエル(Jean-Philippe Nuel)が手がけた。歴史を物語る重厚な建築とエスプリの効いたコンテンポラリーなインテリアが色鮮やかに共生する。

考えてみると裁判所と名のつく建物に入ったことがなかったので、何も悪い事はしていないのに足取りがちょっと恐る恐るとなってしまった。裁判官や弁護士、陪審員、容疑者が出入りしていたわけだ。黄金のライオンオブジェに出迎えられ、裁判所の正面中央の大階段を上ると、裁判所のエントランスホールだった吹き抜け空間、床面積が400㎡と、それは広々としたロビーに出る。古代ギリシャ風の列柱に囲まれ白と黒を基調にしたホールに赤、牡丹色、茄子紺などの強烈なカラーアクセントとなるファニチャーがリズミカルにアレンジされ、理性に徹した空間が暖かく、エモーショナルなホテル空間に移行している。光天井からさんさんと自然光が降り注ぎ、レセプションデスクともレセプションカウンターとも言いがたい、純白の翼のようなオーガニックなテーブルオブジェクトでチェックインとなる。ラッカー仕上げで真っ赤な光沢のホテルのカフェバーが「ル・プレアンビュル(Le Preambule)」。カフェバーのあるロビーホールはホテルのプレリュードとでもいうのか、プレアンビュルは法律の“前文”を意味している。元来は重罪院(Cour d'assises)の法廷として裁判が行われていた吹き抜けの空間に、レストラン「ラ・シーズ(L'Assise)」が配された。裁判官が判決を下した最奥の一段高いコーナーにも見渡しのいいテーブル席が設けられ、その中央にはワインボトルがインスタレーションされる。ホテルのデザイン同様に、地方の伝統料理とモダンに解釈し直した料理の両方が堪能できる。夜は壁にビーマーから神秘的な光のショーが投影される。スパ&フィットネスは、以前は被告人が刑の宣告を待つ部屋だったそうで、日頃の運動不足を宣告された気分で、トレーニングにもいつになく熱が入ってしまった。

ポップなドット模様のカーペットが足元を楽しませてくれるフロアを通って辿り着く客室はダブルが122室、ジュニアスイート&スイートが20室の全142室を数える。デザイナーはナント美術館に『聖ヨセフの夢』などの名作がコレクションされるジョルジュ・ド・ラ・トゥールの絵画に大きなインスピレーションを受け、部屋もバスルームも色彩的にもライティングでもラ・トゥールの絵画のように明暗、光と闇のコントラストが強いインテリアになった。そこで翌日ラ・トゥールの絵を観たいと美術館へ向かったら、がっかりすることに改修工事で閉館中。そしてなんとコレクションは現在日本の美術館を巡回中とのことで失笑してしまった。白いファニチャーの多くはこのホテルのためにオリジナルデザインされたと言う。

普段ならこの“ロマンス”という名のパッケージなどまさか利用することはないのだが、オープニングのプロモーションレートだったのか、スタンダードと変わらない料金で、ジュニアスイートだと朝食&花束&シャンパーニュをサービスしてもらえるということで、この歳になって初めて“ロマンス”なるパッケージを予約したのだった。しかし花束も部屋に見当たらないし、シャンパーニュへのお誘いもない。ラディソンの予約センターとホテル間の連絡ミスとわかり、お詫びにと、まずバーでシャンパーニュを1グラス頂くことになった。予約センターがミスしてくれたことに感謝!花束の方はというと、ボーイさんが急いで街の花屋に送り出されることになったらしく、しばらくするとフローリストの名刺付きで、春らしく清楚な花束が部屋に届けられた。指定通り真夜中に部屋に運ばれたシャンパーニュのボトルは、ラベルを見て「ルイナール」なのにもポジティブに驚いた。花束を改めて愛でる。実はこんなきれいにアレンジされた花束など今までもらったことがなかったので、本当に嬉しくて仕方ない。ナントからロワール古城をまわってハノーファーに戻るまでの1週間、この花束を車の後座席に乗せて(ほとんどドライフラワー化してしまったが)旅して家まで運んだのだった。

建物中央のメインエントランスを入るとライオンのアートオブジェがお出迎え。
更に中央階段を上る。

数段のぼるとスケールの大きな光天井が見えてくる。
階段を上って右手にレセプション。

レセプション“デスク”と言っては悪いような未来的なデザイン。ピンクのフラワーアレンジが大胆なコンビネーション。

裁判所の吹き抜けのエントランスホール(400㎡)がホテルのロビーラウンジ。古代ギリシャ風の円柱、モノクロの幾何学的パターンの床に強烈な赤やボタン色のソファがとてもビビッド。上階のギャラリーから見下ろすとファニチャーはダンスしているよう。サークルが宙に浮かんでいるような軽やかな照明。そこここに馬や熊などモダンなアートオブジェも目を楽しませる。

真っ赤なラッカー仕上げのカフェ・バー「ル・プレアンビュル (Le Preambule)」。プレアンビュルは法律などの“前文”を意味。
落ち着いた雰囲気の中庭テラス席もある。

ホテルのインテリアはパリのジャン=フィリップ・ヌエル(Jean-Philippe Nuel)が担当。建物の歴史を今に伝えながらコンテンポラリーなホテルライフを実現させる。元は重罪院だったホールがレストラン「ラ・シーズ(L'Assise)」。朝食もここで。夜は白い壁がプロジェクションのスクリーンにもなる。奥にはかつては裁判官席だった数段高く見渡しのいい席もあり、背景にはワインボトルのインスタレーションが印象的だ。

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2013/07/01時点の情報です

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