ホテル情報
Hotel Welcome
- Add
- 3 Quai de l'Amiral Courbet 06230 Villefranche-sur-Mer
- TEL
- +33 (0)4 93 762 762
- contact@welcomehotel.com
- URL
- http://www.welcomehotel.com
ヴィルフランシュ・シュル・メール(ニースから東に6kmほど)は、人口6000人にも満たない小さな街だが、コートダジュールでも豪華クルーズ船の最重要な寄港地である。ピンクとイエローの壁に水色の日除け窓の家並みが海岸線をチャーミングに彩る。ジャン・コクトーが「人生最良の時を過ごした」と感謝の言葉を残した宿「ホテル・ウェルカム」が今も港に面して建つ。元々は17世紀の修道院を改造した宿だ。コートダジュールはフランスなのに、なぜか変に英語名のホテルが目立つのだが、「ウェルカム」も冬の保養地にここを選んで、はるばるやってくる英国人歓迎の気持ちで元々の宿名(「Hôtel de l’Univers」)から、1920年に改名されたのだった。
コクトーは1924年の夏から何度も長期に渡りここで暮らし、ここで創造にふけった。「キラキラ輝くクリスマスツリーの枝にかかる小さな箱に住んでいる」とも手紙に書いていた。戯曲『オルフェ』やストラヴィンスキーのオペラ・オラトリオ『エディプス王』の台本も執筆される。ホテル筋向かいのサン・ピエール礼拝堂の壁画が完成し、ホテルの裏の旧市街にある洞窟のようなオブスキュール(暗闇)通りで『オルフェの遺言』も撮影された。コクトーと切っても切れない縁のホテルだ。
マントンからコクトーづくめだが、ここでもせっかくだしコクトーゆかりの部屋を是非!と頼んで、22号室を予約してあった。「時には無為からの疲れをいやさなければ」と訳せるだろうか、コクトーが母に宛てたという絵葉書の言葉が壁を飾る。バルコニーはコクトーの時代を越えて、今でもまさに「劇場のロージェ(ボックス席)」に匹敵する美しい時を過ごさせてくれた。
ところで『アジアンタムブルー』という邦画のロケで、俳優もスタッフも全員がこのホテルに滞在していたとのこと。ホテルのすぐ脇の広場でも撮影されたそうで、もしかしてホテルも映っていたかもしれない。
2018/04/02時点の情報です